オペレーション改革の必要性とは?~第1回:企業経営におけるオペレーションの位置づけと改革の重要性~【コンサルタントのインサイト】
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【 コンサルタントのインサイト 】
本シリーズは、Regrit Partnersに所属するコンサルタントが過去に
携わったプロジェクトの経験を横断的に俯瞰し、個別ソリューション
や産業に関する独自のインサイトを発信する記事です
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Principal / Operation
土田 敬太
目次
1.オペレーション改善は早期着手が肝要
日本企業は今、これまで是として築き上げてきたモノ(仕組み)を抜本的に見直さざるを得ない局面を迎えている。
ボーダーレス経済による競争の激化、顧客や従業員を含めた人の価値観の多様化、労働人口減少への対応、SDGsを始めとする社会的課題への対応、テクノロジーの進化によるディスラプターの出現、、、
これらの非連続且つ激しい変化が繰り広げられる時代の中で、日本企業はどのように事業競争力を高めていくべきだろうか。
高度な戦略を練ったり、イノベーションを起こす新たな事業を構想する事も勿論重要ではあるが、日本企業は今こそ企業経営の"体"をなす「オペレーション」を抜本的に見直す事に目を向けるべきであると筆者は考えている。
昨今の変化が激しい環境下では、時間をかけて打ち立てた戦略や計画が思い通りに進まない事は多々ある。
また、その戦略や計画の遂行によって一時的に先駆者になったとしても、比較的短い時間軸の中で国内だけでなく海外の競合他社に直ぐに模倣され、最後は単純な価格競争に陥るのが目に見えている。
そのような環境下では、柔軟且つ俊敏に形を変えることで環境の変化に追随し、他社を追い抜いていく強靭な"体"が必要である。強靭な"体"は、時間を掛けて磨き上げることで、それ自体が競争優位性を生み出し、競合他社に対する差別化要素にもなりうる。
磨き上げられた"体"は、Operational Excellence(オペレーショナル・エクセレンス)と呼ばれ、競合他社がその状態を短期的に模倣する事は容易ではない。
(Operational Excellenceの詳細については図表をご参照いただきたい)
一方で、Operational Excellenceは、短期的に成し遂げられるものではなく、中長期的な視点が必要である。
短期的な成果が求められる日本企業のマネジメント層にとっては、直近1年間の目に見える成果にこそ目が行きやすく、成果が出るのが数年先となる場合、そのような施策は敬遠されがちである。
だからこそ、競合他社との競争に打ち勝ち、10年後も生き残っていたいと考えるのであれば、今直ぐに取り掛かるべきである。
2.DXにおけるオペレーション改善の必要性
ここ数年は、デジタルテクノロジーの急速な進化により、日本企業のデジタル化は一定程度進んだものと思われる。政府やメディアをはじめとするデジタルトランスフォーメーション(以下DX)の大号令により、大手企業から中小企業まで、この波に乗り遅れまいと様々な取り組みを進めている。
そのアプローチはトップダウン/ボトムアップと様々ではあるが、一部のデジタイゼーション(情報のデジタル化)やデジタライゼーション(既存プロセスのデジタル化)に留まり、本当の意味でのデジタルトランスフォーメーションを成し遂げている日本企業はまだまだ少ないと感じている。
それは何故か?
DXの取り組みを始めたのはいいものの、いつのまにか手段が目的化してしまうテクノロジーありきの取り組みになっており、数々のPoC(試作開発の前段階等における検証)に取り組む過程で目的を見失い、推進自体が頓挫してしまうケースが散見されている。
そんな中で、「テクノロジーありきではいけない!」「目標・ゴールの設定が重要だ!」といったメッセージが有識者やコンサルティングファーム各社から発信され、日本企業のトップやDX推進部門もその発信に基づいて活動を修正し、推進してきているが、それでも上手くいかない、、、
その理由としては、DXを成し遂げた先のビジョンや目標・ゴールはある程度クリアになったものの、掲げられた目標・ゴールに向けて実際に推進する現場やそれを支える仕組み、所謂オペレーションが追従できていないのだ。
オペレーションが追従できていない結果として、当初想定していたようなスピーディー且つアジャイルな推進が出来ずにいる。
明確な目標・ゴールを描くことは、優秀なマネジメント層とコンサルタントを含む外部の有識者が集まれば、それなりのレベルのものが数ヵ月で完成する。だが、それを実行する現場や仕組み=オペレーションはそう簡単に変われない。更には、各社のオペレーションの根底に流れる企業文化や従業員の考え方を変えることこそ、DXを成功に導く非常に難解且つ重要な課題なのである。
このように昨今のDXの取り組みを見ても「オペレーション」に目を向ける事の重要性は明白である。
では、改革を推進するマネジメントやリーダーはオペレーション改革にどのように取り組めば良いのだろうか?
3.Regrit Partnersのコアケイパビリティー
Regrit Partners(リグリット・パートナーズ)ではクライアント企業の事業競争力の強化を実現するための、ハンズオンのコンサルティングサービスとプロフェッショナル人材提供サービスを行っている。
コンサルティングサービスにおいては、企業全体の抜本的な構造改革の支援が中心であり、特に今回取り上げている「オペレーション改革」支援をコアケイパビリティーとしている。
昨今流行しているDXを支援する案件も多く手掛けているが、テクノロジーありきではない、本質的なオペレーション上の問題に着目したイシュードリブンアプローチでのソリューション提供において定評がある。
Regrit Partnersでは、前段で述べた理由から、創業当初からこの「オペレーション改革」にこだわりを持ち、多くの日本企業の構造改革を支援してきた。
次回は、Regrit Partnersの有する知見に基づく、オペレーション改革の構成要素を紐解いていきたい。
(第1回了)
第2回記事はこちら↓
オペレーション改革に必要な三要素とは?~第2回:改革の視点となるオペレーションの構成要素~【コンサルタントのインサイト】

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