対談概要

―ポリプラスチックス株式会社(代表取締役社長 宮本 仰様、https://www.polyplastics.com/jp/) (以下、ポリプラスチックス)では、2020年より全社を上げたデジタルトランスフォーメーションの取組み 「BizProDX」 が発足。Regrit Partners(以下、リグリット)は、BizProDXの発足に向けた企画・構想段階から現在に至るまで、デジタルトランスフォーメーション実現に向け支援しております。 この対談では、ポリプラスチックスの籔内様、押手様を迎え、BizProDXを推進する中で生じた課題やリグリットの介在価値について振り返っていただきました。 

目次


1.プロジェクトの発足背景・ゴール

― 本プロジェクト発足の背景を教えてください。

籔内:BizPro DX発足前から、当社の業務プロセスはしっかりしており、顧客への価値提供でも差別化ができていました。ただ、データはきちんと保管されていますが、部門ごとにサイロ化されておりデータを十分に活用できていない状況でした。

押手:部門の細かな要望も実現してきたが故のサイロ化ですが、情報の二重入力・他部門への依頼状況が見えない・情報集計やマスタ変更に非常に手間がかかる等、業務の非効率も招いている状況でした。また、業務システムは古い仕組みを利用しており、EUC的な業務プログラムが全部門で1,000程度ある状況でした。 

籔内:そこで、そのサイロ化した業務プログラムやデジタル化されていない業務を統廃合・新システムへ移行し全社的に 「データを活用」できる環境を構築するとともに、 「顧客ニーズにきめ細かく対応する」 という自社の強みの更なる強化と 、「持続可能かつ効率的に​グローバル市場へ自社の強みを展開」できることを目的としたBizProDXが発足しました。  

ポリプラスチックス:籔内氏(ICT統括部 部長)

2.コンサルティングファームからの支援を要した理由

― BizProDXを推進する上で、弊社が参画した経緯を教えてください。 

籔内:全社でのデジタルトランスフォーメーションを推進していく構想を描いた時、社内リソースだけでは十分な工数・スキルが確保できず、改革スピードが十分に出せない懸念がありました。

押手:業務の良い部分は残し、変えるべきところは変える。その上でこれまでと異なるシステム上で新しい業務を実現し現場を変革していくには、第三者視点でフラットに業務を評価・再構築していくことが非常に重要な要素と考えていました。 
また、利用頻度や複雑さはまちまちですが、1,000程度ある業務プログラムを段階的に統廃合・新システムへ移行していく必要もあったため、数年に渡る全体計画を作った上で着実に進めて行くことも不可欠でした。

福川:企画・構想Phaseから参画させていただいておりますが、やはり数多くある業務プログラムの統廃合・移行を見据え、どの業務領域をどのシステムへ移行していくべきなのか、どのような順番で進めていくべきなのか、業務領域ごとに課題も異なるため全体構想を検討するのには非常に苦労したことを覚えています。 

押手:単なるシステムの刷新ではなく、デジタルデータやデジタル技術をフル活用し、いかに事業の成長に貢献できるのか、いかに社員が新しい業務のやり方に馴染むことができるのか、いかに業務の滞りを解消するのかといった視点を持ち、会社全体を10年支えることのできるデジタルアーキテクチャをしっかり見定めたうえでプロジェクトがスタートできた点が順調にプロジェクトを進められている大きな要因の一つと思っています。 

ポリプラスチックス:押手氏(ICT統括部 主席部員 DX推進・サイバーセキュリティ責任者)

3.リグリットの介在価値

― 本プロジェクトに対して弊社はどのような価値を提供できたでしょうか。

押手:生じている課題や取るべきアクションを迅速に提示し、ハンズオンでプロジェクトを推進いただいています。時間的な制約が厳しい中でとても円滑なサポートをいただけている印象があります。気づけば事業会社とコンサルティングファームという構図ではなく、一体となって相互補完しあえる体制が構築されています。

籔内:ビジョンを描く ”頭” とプロジェクトの実務をこなす ”手足” の部分を弊社が担い、御社には双方を繋ぐ ”神経” の役割を担っていただいている印象です。コンサルタントが ”頭” や ”手足” の役割を担うケースも多いですが、御社には ”神経” として個別最適にならないように、ビジョンに基づいてプロジェクト全体の実務をコントロールいただけました。 

福川:なぜ事業会社とファームという構図がないように感じられたのでしょうか。

押手:予め設定されたスコープを超え、我々の業務も常に気にかけていただけたことがそのように感じた一つの理由ではないでしょうか。プロジェクトの体制に会社としての垣根は感じられず、まるで身内のようでした。親会社であるダイセルの動向まで気にかけていただいていたことや、スコープ外であった工場領域の課題まで可視化いただいたことには、視野の広さと支援の柔軟性が顕著に現れていました。

籔内:スコープ外の事柄への対応は、他ファームのコンサルタントとは一線を画す強みだと感じています。どのような相談でもスコープ外と割り切らずに真摯に回答いただける点からも、私の中でのファーストコールカンパニーとなっています。

押手:御社の名前が真っ先に浮かぶもうひとつの理由は、「私たち以上に弊社について詳しい面がある」ことです。弊社の内状や雰囲気をすぐにキャッチアップし、アサイン間もない時期でも私たちと同じ熱量で話せるようになっていました。私たちのことについて、御社に聞くこともあったほどです。

福川:弊社のコンサルタントはプロジェクトを推進するうえで、クライアントを“識る”ことを重要視しています。当プロジェクトも例外ではなく、御社の置かれている状況を熟知しているメンバーは多かったと思います。御社からも気兼ねなくコミュニケーションをとっていただけましたし、メンバーひとりひとりが御社と良い関係を築けていたのだと、嬉しく思います。

リグリット : 福川(Managing Director)

4.プロジェクトの展望とリグリットへの期待

― 本プロジェクトの現状を踏まえ、今後の展望について教えていただけますか。

押手:現在は3年・6期目(半年を一期)ですが、目的達成に向けクロス・ファンクショナルチームで20前後の取組みを同時並行で進めてこられた結果、6期末には顧客への価値提供プロセスの7割程度は移行完了となるため、計画通りの進捗です。

籔内:BizPro DXを通じてデータの蓄積がどんどん進んでいます。今後は、この蓄積されたデータの更なる活用を進め、データドリブンな意思決定やインサイト発見による経営・現場への貢献も実現していきたいと考えています。

押手:御社には、データアナリティクスに関する取り組みにも立ち上げから参加いただいていますが、分析基盤の構築や、各種分析の実行、データ分析人材の育成、社内コミュニティ立ち上げ等、BizPro DXと同様複数の取組みを同時並行で進めていく必要があるため、チームメンバーとしてビジョンに基づいたプロジェクト全体の実務をコントロールいただきたいと思っています。


Contact

当社のサービスや採用に関するお問い合わせはこちらから

Contact form