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プロジェクト発足の背景と課題

 大手保険会社として多くの顧客を抱えるクライアントは、各種手続きや事務処理の大部分を紙帳票で処理しており、紙帳票の管理の煩雑さやそれに伴う人件費に起因するコスト面で課題を抱えていた。
 近年、新規の顧客がスマートフォンやオンラインでの相談を通じて加入手続きを行う流れにあることに加え、新型コロナウィルス感染症の流行により新しい働き方や業務様式が求められていることを受け、全社的にDXを推進するためのプロジェクトが立ち上げられた。
 同プロジェクトでは、最初にDXについての知見を深めるための講義形式の学習会を開催した。続いて横断的なワーキンググループを設置して各部門の担当者が率直な意見交換を行う場を設けた。その議論の過程で抽出された様々な課題について、優先度の高いものからデジタル技術を活用して業務プロセスを見直すことが決定した。Regrit Partners(リグリット・パートナーズ)は、業務改革分野の学習会の開催を支援するなど、同領域での知見や実績を評価され、本プロジェクトの立ち上げ段階から参画することとなった。

目的・ゴール

 本プロジェクトでは、DXを推進するにあたって3つの方針として「事業の安定化」「顧客満足度の向上」「従業員満足度の向上」を策定した。最終的なゴールとして「デジタル化できる業務は自動化/ロボット化を行い、人にしかできない業務に注力することでCX(顧客体験価値)を向上する」を掲げた。

支援内容と取り組みのポイント

 Regrit Partnersは、上記ゴールの実現に向けて、業務プロセスの再構築の観点から支援を行った。具体的には、AI-OCR(AIを活用した画像認識)や審査の自動化ソリューション、RPA等の導入をはじめとする複数の施策について、企画・構想から実装を前提とする準備段階における各種の支援を実施している。
 Regrit Partnersは、クライアント先に常駐し伴走型のコンサルティングサービスを提供する立場から、各部門へのヒアリング、業務フローの作成、経営会議への資料作成や事務局運営まで幅広く支援している。プロジェクトの事務局や各部門のパートナーとして、各者の真の課題やニーズを見つけ出すために、日々議論と検証を重ねており、時にはクライアントとの間で意見を戦わせながらプロジェクトを推進している。

 本プロジェクトのクライアントは歴史のある伝統的な団体であるため、昔ながらのカルチャーが色濃く残っている部分もあり、提案を一つ行うに際しても倣うべき「お作法」があり、しかるべき段取りで話をしなければ前に進まないことがある。
 Regrit Partnersは、そのような場面においても、クライアントの伝統や文化を尊重しながら、外部の第三者としての見解やコンサルティング会社としてのスキル・ノウハウを最大限に活用することで、クライアントがプロジェクトを円滑に進めるための黒子役を担っている。

成果

 本プロジェクトは当初、一プロジェクトとして立ち上げられ、クライアント社内より参画しているメンバーも限定的であったが、徐々にDXの重要度が経営層・管理者層にも浸透し、現在では同社の中期経営計画の重要テーマとして全社的に推進されている。この背景には、Regrit Patnersがプロジェクト開始の段階から、全体最適と個別最適のバランスの重要性を逐次訴え、全社への意識の浸透に貢献してきたこともあると自負している。
 現在はまだ道半ばではあるが、本プロジェクトのメンバーはクライアントのDX戦略を必ず成功させるという信念のもとで日々プロジェクトに取り組んでいる。

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