Future Consulting
Prospects

Regritの考える今後のコンサルティング

現在のコンサルティング業界・リグリットの考えるコンサルティングサービスの在り方・求める2つのコンサルタント像について、コンサルティング事業の責任者でプリンシパル/執行役員である土田の考えとは

Changes In The
Consulting Industry

  • Q
    この場ではリグリットのコンサルティングサービス方針を、責任者である土田さんに伺っていきたいのですが、その前にまずは、現在のコンサルティング業界をどのように捉えているか教えて頂けますか。
    A
    業界の動向としてまず言えるのは、市場は引き続き成長トレンドにあるということですね。IDCのレポートでは、2025年までに国内の市場規模が1兆2,551億円に到達すると言われています。裏を返すと、クライアントはそれだけ多くの課題を抱えているとも言えます。

    問題は抱えている課題の性質ですが、様々なご相談や案件を通じ感じるのは、現在の企業課題は非常に多様化・複雑化してきているということです。それがコンサルティングファームに為す意味としては、従来のStrategy, Operation, Technologyという形での課題区分が難しくなってきているということです。言い換えると、もはやクライアントにとってそれらの区分は無意味なものになり始めているということです。それよりもクライアントにとって重要なのは、協業するコンサルティングファームが、区分の垣根を越えた依頼をし得るパートナーなのかどうか、という点だと考えています。ですので、まず1つめの動向としては、「サービスの垣根の消滅」を挙げたいと思います。

    次に触れたいのは、クライアント自身による課題への対応方法も変化してきている点です。例をあげると、コンサルティングのインハウス化(内製化)を進めるクライアント企業が増えてきていたり、はたまた、書籍などを通じコンサルティングの技法を学び、活かしているクライアント企業が増えてきていることが伺えます。つまり、昨今のクライアント企業は、自分たち自身である程度課題解決をし始めているといえます。この背景としては、コンサル卒業生が市場に増え調達しやすくなった点や、コンサルのノウハウが書かれた書籍が巷に溢れ、簡単に知ることができるようになった点などがあげられます。

    いずれにせよ、従来コンサルティングファームに閉じていたノウハウなどは、現代ではある程度コモディティ化しているといえます。この状況を反映するかのように、現在市場には様々なファームが乱立しており、かつ各社のサービス内容の差別化も非常に難しい状況にあります。これが2つ目の動向となる、コンサルティングの「コモディティ化の進展」です。
  • Q
    ここまでお話し頂いたサービスの垣根が消失してきている点や、コンサルティングナレッジのコモディティ化が進展している点を踏まえると、今クライアント企業はファームに対しどのような価値を求めているのでしょうか?
    A
    では、その「求められる事(価値)の変化」を3点目の動向として話しましょう。先ほど触れたとおり、単純な知識や情報については、クライアント側でもある程度入手が可能なため、そういった要望は減りつつあります。それよりも、成果創出が出来るか、実行力があるかを気にされる傾向が高いです。課題が複雑化し、単純なナレッジも陳腐化しはじめているからこそ、知見を実際の状況にどうあてはめ、具体的に実現に向かわせるか、この実現性が昨今のクライアント企業の改革の成否を分けているといえます。

    もう1つの変化としては、これまではファクトベースの示唆がコンサルの価値とされており、その価値がなくなったとは思いませんが、別の要素も求められるようになってきています。それは、未来に対するデザインや、構想力です。わかりやすく言うと、帰納法の問題解決アプローチのみでなく、演繹法を用いたデザイン思考型のアプローチも求められているということです。その要因としては市場環境の変化の早さがあります。帰納法的なアプローチは、目前の課題解決には有効であるものの、数年後や、早ければ数か月後にはその課題よりも大きな課題や、市場における脅威が出現していてもおかしくない状況においては、未来における状態も考慮した上であるべき姿を策定し取り組む方が有効な場合があるためです。このように、現在求められる価値とは実行力や未来に対する構想力といえます。

The Future of
the Farm

  • Q
    述べて頂いたコンサルティング業界の動向を踏まえ、土田さんはリグリットの方向性をどうあるべきと考えていますか?
    A
    一言で言うと、「バーチャルな総合ファーム」を目指すべきと考えています。

    先ほどお伝えしたように、従来のようなサービスの垣根をもとにファームとしてのポジションを取ることは、クライアントにとってはあまり意味がなくなっています。平たくいうと、「これしか出来ません」というのは価値が無いと言えます。一方で、「なんでも出来ます」というのも少し怪しいですよね。ではどうあるべきかというと、全てのソリューションを自社で抱えず、必要に応じて他社と協業・連携を図れば、「大体はなんでも出来ます」くらいは言えるようになると思います。

    クライアントにとって、リグリットだけで課題解決するかどうかは究極的には関係ありません。むしろ、必要に応じその道の専門家同士がタッグを組み課題解決を図ってくれる事がより望ましいと思います。そういった意味で、リグリット単独としてではなく、全ての協業パートナーも包含した「Virtual Firm」という共同対が、今後ファームの目指すべき形ではないかと考えています。
  • Q
    Virtual Firmという共同体、あるいは企業・組織・個人の集合体において、リグリットはどういった存在と捉えれば良いでしょうか?
    A
    これも一言でいうと、リグリットは人や会社を繋ぐプラットフォームに昇華されるべきと考えています。

    具体的には、リグリットの役割は2つです。1つは、個々の課題に合わせ、人や会社を越えてチームをアレンジし推進する役割です。先ほど、この業界はコモディティ化が進んでいるとお伝えしましたが、これを別の文脈で捉えると、「特定領域に詳しい人や専門家は市場に多数存在するが、その人材の取りまとめを担う人材が極端に少ない」とも言えます。課題があり、個々に優秀な人材が揃っていても、それをうまくマッチングさせ、能力を組み合わせ、各領域の要諦を正しく理解しプロジェクトをコントロールできる人材がいなければ、個々の人材は宝の持ち腐れとなってしまいます。そのような媒介者の役割を果たすことが、リグリットが将来的に目指すべき存在価値の1つだと考えています。

    もう1つは、ある領域における未来を見据え、構想を描き、実行を推進する役割です。様々な専門家が適切なチームとして招集されたとしても、課題解決に未来志向が要求される場合、「進むべき地図が無い、または間違っている」場合も、クライアントの求める成果創出に至りません。相談された課題に対し、数年後の未来を踏まえ、あるべき姿を構想・提示する役割をリグリットが担うことが、もう1つの将来像になります。

    まとめると、リグリット自体は「会社」という枠組みを越えた、プラットフォーマーを目指すべきと考えています。ちなみに、この目指すべき姿については、Core Valueの1つであるCo-createになぞらえ「Co-Creation Platformer」と呼んでいます。
  • Q
    説明頂いた将来像はリグリットという会社/ファーム単位についての話しでしたが、私たちメンバー個々人が持つべき視点について教えて頂けますか?
    A
    Co-Creation Platformerとして活動するというのは、言うのは簡単ですが、求められる能力は非常に高いということを意識する必要があります。

    様々な専門家を束ねプロジェクトを推進するということは、幅広い領域についてある程度知見を有しており、かつ非常に複雑なプロジェクトマネジメントを遂行できたり、推進するためのリーダーシップを持ち合わせている必要があります。同様に、構想力や実行力という点も、その道何十年のクライアント、または領域に詳しい他の専門家を上回るような、圧倒的な仮設構築力・問題解決力などが求められる事を意味します。いずれのタイプにおいても、不断の努力が必要なわけです。

    そのようなリグリットが追求する人材像を明確化する意味合いを込め、コンサルタントのキャリアパスは「マネジメント型」と「エキスパート型」の2つに分類しています。但し、これはあくまでも私が考える現時点での理想であり、完成形ではありません。現在所属しているメンバーや、今後入社を検討されている方々には、自分自身の理想とするコンサルタント像を自問自答して頂き、自分なりの答えや仮説を考えてみて頂きたいです。そして、「どうあるべきか」という終わりの無い問いについて一緒に議論できたら嬉しいですね。

Contact

当社のサービスや採用に関するお問い合わせはこちらから

Contact form